救急看護とは

インタビュー 看護師長 石井さん

救急看護には看護の基盤と
なる要素が集約されていて、
看護の力を最大限に
発揮できます

経歴と資格

救急看護歴14年(看護歴21年)、【看護師以外の所有資格】保健師 救急看護認定看護師

救急看護師になったきっかけを教えてください。

もともとは文系の学生で将来は教師になろうと考えていましたが、高校3年生の時に父親が入院することに。その際に自分が何もできないことにジレンマを感じて、『家族をケアするために看護師になろう』と思ったのがこの道に進んだきっかけです。保健師学校を卒業後に現在の病院に入職。5年目となる1998年に救命救急センターとICUが開設されることになり、心臓血管外科病棟から救命救急センターに異動して救急看護に携わることになりました。

救急看護の現場で心がけていることはありますか?

つねに患者様一人ひとりの『個』を尊重して向き合うようにしています。救命救急センターに搬送されてくる患者様は自分の意志で話せない方も多く、そうした場合は患者様の代弁者であるご家族とのコミュニケーションが重要になります。例えば髭を剃ったほうが治療を施しやすかったとしても、髭を生やしていることがその患者様のポリシーだったり大切にしていることだったりすれば尊重し、どうしたら剃らずに処置ができるかをスタッフ間で話し合うようにしています。

救急看護師のやりがいはどんなところですか?

搬送されてきた時は重篤だった患者様の回復と社会復帰を手助けできることです。救急領域では看護ケアの結果が短期間で現れるため、片時も気が抜けないことが大変でもあり、楽しみ、やりがいでもあります。急性期の患者様はほぼ毎日レントゲンを撮るのですが、最適なケアを施すことができた箇所は、その結果を翌日のレントゲン写真で見て確認することができます。そういったスピード感も救命救急センターならではの特徴といえるかもしれません。

2008年に救急看護認定看護師の資格を取得されていますね。

看護師となって14年目に一念発起し、半年間現場を離れて通学して学び、資格を取得しました。救急看護認定看護師となったことによる一番の変化は、患者様に対する使命感がより強くなったことです。その後、2012年4月に糖尿病内分泌・血液内科病棟に異動しました。これからは院内全体で救急対応のスキルを底上げしていかなければいけないという気運が高まり、救急看護認定看護師の私に白羽の矢が立ったのだと思います。

救急看護師を目指している人へのメッセージをお願いします。

救急看護師というと、常に張りつめた雰囲気の中、慌ただしく走り回っているというイメージがあるかもしれません。確かにそういう面もありますが、救命救急センターではチームが一丸となり、相談しあいながら患者様の回復という目標に向かって取り組んでいます。学ぶことが多く大変なこともありますが、それらはすべて看護の基盤となる要素。救急看護は看護の力を最大限に発揮できる分野です。一緒に救急看護師として頑張りましょう。

(2015年3月時点の情報です。)

私のこだわり

「認定看護師バッジ」

つねにアンテナを張って最新の情報をキャッチアップできるよう心がけています。資格取得はあくまで通過点であり、ゴールではなく新たな高みへのスタート。このバッジを見るたびに、患者様から寄せられる信頼に応え、救急看護認定看護師としての役割を果たさなければならないと身の引き締まる思いです。

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